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2005年09月19日

TGS2005(2)/「『CERO年齢別レーティング制度』の未来を考える」を考える

パネルディスカッション「『CERO年齢別レーティング制度』の未来を考える」

会場をウロついていたら、たまたま、ステージでレーティングについてのパネルディスカッションが始まるトコロに出くわした。そのようなイベントがあるとは知っていたが、出席するつもりはなかったので日時すらチェックしていなかった…のに偶然出くわすとは、運命とか天命とか、そういった力が働いたのかもしれない。

パネリストは、以下の4人。

坂元章氏(お茶の水女子大学教授)
渋谷明子氏(慶應義塾大学メディアコム研究員)
七海陽氏(浜松大学こども健康学科講師)
武藤春光氏(CERO理事長)

そしてモデレーターは、和田スクエニ社長。


まあ、パネルディスカッションと謳いながら実際は、各氏の発表済み研究(鶴見にとっては既知のモノばかり)を、ダイジェストで披露していっただけなので、特に面白味はなかったように思う。内容を知りたい方は、各氏のリンクを辿るかググるかすればよろしかろう。

つうか、

質疑応答がないのは何故だ?

鶴見は、質疑応答に備えて色々と考えていたのだが、それも無駄な労力であった。

そういえば、昨年のTGSセミナーでも、パネルディスカッションに質疑応答がなかったので、アンケートに「質疑応答の時間を設定してくれ」と要望を書いた覚えがある。今回は「時間の都合で」と言い訳めいた説明はあったが、30分ぐらいは余裕を持つのは常識中の常識ではないのか。最初から、質疑応答を通じた「この場でなければ生まれない」といった類の、質の高い、特別に採り上げられる価値のある、そんなパネルディスカッションを作る努力を放棄しているとしか思えない。なんとも意識の低いコトよ。

以前にも書いたが(→「誤解されてるなあCERO…」のコト)、未だCEROおよびレーティングの役割は、世間的に(そしてゲーム業界内でも)よく知られているとは云えないのが現状だ。CEROのレーティング制度が有用性を持つためには、社会的に認知されるコトが必須であり、急務だと云える。

ならば、TGSというユーザーと業界の関係者が集まる場所では、それ相応のやり方があったのではないか。少なくとも、次のステージイベントの席取りの為に、嫌々座っているユーザー達が、携帯ゲームを持ち出さない程度には興味をソソる、そんなやり方が。

とにかく、パネリストの4人が4人とも、「レーティング」という存在が周知だという前提で話していたのが、鶴見にとっては歯がゆくて仕方がない、そんなパネルディスカッションだった。未来を考えるのも良いが、CERO並びにCESAには、まずは現状を見据えてもらいたいものだ。


【追記】
ちなみに、鶴見が用意していた質問は、レーティング啓蒙マンガのコトでも書いた、「CEROの事業内容~ゲームソフトの年齢別レーティング制度普及啓発事業」に関してだ。

今度、CEROにメールでも送ってみようかねえ。


【追々記】
そういえば1点書き忘れていた。ディスカッションの最後に、武藤CERO理事長が、「現在CEROでは、成人向けレーティングについて検討している」と発言したのだ。

基本となる考えは、たぶんこんなトコロではないかと想像するのだが、ただ、プラットフォームの倫理規定との整合を考えると、実現可能性は薄そうな気もする。CEROが、ソフ倫を飲み込もうと(水面下で)目論んでいて、そのために検討中というのなら話はわかるが…だったら、こんな場では軽率に発言しないか(笑)。

もちろんこれを実現するためには、現状以上に販売店との連携が不可欠だ。レンタルビデオ店みたいに、18禁コーナーを作るとか、そういうヤツね。有害図書規制の声が喧しい昨今では、ビデオゲーム自体に「アダルト」な色が付いてしまう危険性も考えると、時期尚早な感もあるが、そうした議論が起こるのは「アリ」かな、とは思う。

それよりも、CEROレーティングの周知を徹底する方が先ではあるのだが。


【追々々記】
Slash Gamesで今回のパネルディスカッションがレポートされているので、興味のある方は閲覧せられたい。ちなみに、レポートしたのは小野憲史氏(会場では会えなかったが)。

カテゴリー: 六百式見聞録

投稿者 tsurumy : 2005年09月19日 04:05

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コメント

まぁ、雑誌ではレーティングを入れているが、Web媒体では入って無かったりとか(広告もしかり)、まだまだ認知度は低いですね。

そういえば、GTA:SAのHot Coffee問題ってのがあったけど、カプコンのシャドウオブローマでPARを使うと身体欠損表現がONになるというイカスフィーチャーってのは問題にされないのかなぁ。CEROの倫理規定では人間に対する身体欠損表現はNGだと聞いておりますが。
#まぁ、カプは明らかにCERO18歳以上対象になるソフトをRPだからという理由で一般作系プロモDVDに入れていたからなぁ。

投稿者 御熊様 : 2005年09月20日 20:36

 初カキコです。
日本だと、GTAが問題になるまで、成人向けゲーム=ポルノゲームの構造が延々と続いていましたからね。そうゆう意味で、この種の議論に対する一般への認知度がどうしても低いんだろうな。

投稿者 うみゅ : 2005年10月05日 08:04

結局前に言っていた「明らかに18歳以上対象になりそうな内容なのに、RPだから一般作系プロモDVDに入れていた作品」は見事「18歳以上対象」レーティングを受けました(汗)。

あのビデオをそのまま入れること自体マズイだろ……。某所じゃ「あれが入るならバイオ4のデモ映像が入ってても問題ないだろう」とか言われたし。

で、明日は東京都の説明会なのですが、それにつけてもCEROは悪者扱いですよねぇ……。

投稿者 御熊様 : 2005年10月18日 05:42