« 「頑張れCERO!」のコト | メイン | 「無罪」のコト »

2005年06月12日

「誤解されてるなあCERO…」のコト

昨日書いた「頑張れCERO!」のコトに対してお二人ほどがコメントされているが、そのお二方ともがCEROの位置付けについて誤解されているのは興味深い。

CEROは業界を(流通を)規制する団体ではない。

自主規制の主体ですらない。むしろ、「我々メーカー・流通が規制しますから、その基準を作ってください」と、依頼される側にすぎない。昨日も書いたが、CEROはゲームの内容を「rating(評定)する」ただそれだけの第三者機関なので、それをどのように活用するかは、あくまでメーカー・流通の責任なのだ。

例えばアメリカでは、TargetToys'R'usなどの超大手流通は、ESRBのレーティングによってソフトの扱いを極端に区別する。発注数にも影響があるし、店頭でのPOPの扱いだって異なる。ラチェットでは、銃口を向けたPOPはToys'R'usには置かれなかったと記憶している。まあ実際には、それほど厳密なものでないのだが(Toys'R'usでGTAも売ってるし)、少なくとも、行政の介入を阻止出来るだけの「問題の起きない方法」を採っているコトは確かだ。

なので、メーカーも表現に気を遣う。表現の自由が阻害される、という意味ではない。自分らの表現が、それに相応しい消費者に届くように、気を遣うワケだ。

もちろん、アメリカの状況だって最初からそうだったワケではないと思う。ESRB設立から11年余の間に紆余曲折を経て、業界全体にそうしたコンセンサスが定着していったのだろう。


それにしても――WEB上の言論を眺めると、CEROについて誤った思い込みに基づいた書き込みをしている人間があまりにも多いコトに気づかされる。先にコメントをくれたお二人も含めて、ゲームに詳しい人間からしてそうなのだから、社会的には何をかいわんや、だ。認知されてナンボのCEROが、いかに認知されていないかというコトだ。

願わくば、今回の神奈川県の措置を契機に、メーカー・流通側の対応が進み…同時にCEROに対する社会的な認知が上がれば良いのだが。法的な基準ではない(云ってしまえば勝手に云ってるだけの)CEROのレーティングが、社会の「デファクト・スタンダード」として認知されるように。

そのための手始めとしてまず、不明確な基準で規制を進めようとしている神奈川県に対して、CEROのレーティングを基準とするような働きかけを、業界一丸となって行う必要があるだろう(神奈川県は、CEROの介入を不自然なまでに拒んでいるようだが)。


昨日に引き続き…

超がんばれCERO!


【追記】
とはいえ、だ。CEROの事業内容として、ゲームソフトの年齢別レーティング制度普及啓発事業と謳われているんだから、もっともっと普及啓発を行わなければならんよなあ。新聞広告とか雑誌広告とか、「JAROって何じゃろ?」に倣って、

「CEROにまかセロ!」


なCMとか。ダメですかそうですか。

販売の現場で、レーティングがどのように扱われているかを調査・公表するコトなんかは、CEROの業務範囲だと思うのだが如何に。いや別にCESAがやってもいいんだけど。


【追々記】
ちなみに、CEROが第三者機関である必要性については、こちら→「自主規制の果てに残るものは」(Cepter's Inn.)をご覧いただきたい。

では、似たような事例としてソフ倫はどうであったのか?(中略)これには理事になったメーカーの専横による審査の不公正、審査基準への不満等が原因とも。何せメーカー同士で審査をするのだから、そこに透明性が確立されるのは難しい。理事メーカーのソフトに対して規制が甘いなどと話題になったことも。

そりゃそうだよなあ…。


【追々々記】
CESAが、「ゲームソフトの販売自粛について」と題したプレスリリースを出している。

「自粛」じゃねえだろ、「自粛」じゃ。

云うまでもなく「自粛」という言葉には、行いや態度を慎むという意味がある。これではまるで、今まで好き勝手・野放図にやって来たように(対外的には)見えるじゃないか。今必要なのは、慎むなんていう消極的態度ではなく、ゲーム業界の取り組みを世間に認知して貰うべく発信するという積極的態度ではないのか。表題を付けるのなら、「ゲームソフト販売自主規制の取り組みについて」とか、百歩譲っても、「ゲームソフトの販売自主規制について」だろう。その方が、「自粛」よりは、世間に対して僅かでもポジティヴなイメージを与えられるだろうし、何よりリリース文の内容を正確に表しているはずだ。

あと、考えすぎなのかもしらんが、辻本憲三カプコン社長名義で、有害図書指定についての声明を出している一方で、同じく辻本憲三CESA会長名義で「自粛」じゃあ、世間には一個人の牛耳る業界の「戯言」だと受け取られはすまいか。鶴見的にはそれが心配だ。

アメリカのESRBやその母体であるIDSAなどは、ゲーム業界とは関係のない人間(むしろ政治的ロビー活動が得意な人間)が会長職に就き、組織の顔として活動している。組織の社会的な公正さを担保している(ように見える)上手い人事だと云えよう。見習ってもいいよね。

カテゴリー: 新・嘘六百

投稿者 tsurumy : 2005年06月12日 23:05

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.0600design.com/mt/mt-tb.cgi/171

このリストは、次のエントリーを参照しています: 「誤解されてるなあCERO…」のコト:

» 神奈川県の有害図書指定とCEROについて from ゲームのマボロシ
■勘違いについてのお詫びGTA3が神奈川県の有害図書指定を受けた件について、「六百デザインの「嘘六百」」の鶴見さんからトラックバックをいただいています。エントリ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年06月13日 01:16

» 神奈川県 大人気ゲームソフト「GTA3」を有害図書指定 違反業者には罰則も from 田中大也の書評のページ
まずは、こちらをご覧下さい。 以下引用 神奈川県、残虐なゲームソフトを有害図書に指定へ  神奈川県児童福祉審議会の社会環境部会は30日、ゲームソフトメ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年06月14日 02:39

» 六百デザインの「嘘六百」 from 碧霧日記的Blog
誤解されてるCERO ゲームやってない人はCEROの存在自体知らないんじゃないかと思われる。 我が輩はあまりやらなくなってきたが、ゲームは好きなので当然の如... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年06月18日 22:46

コメント

はじめまして。TBありがとうございます。
私も今回の有害図書認定については到底納得いきませんが、今回の騒ぎで、ゲームが社会的にスポットを浴びることができるきっかけになってくれればと思っています。
これからもよろしくお願い致します。

投稿者 田中大也 : 2005年06月14日 02:37

勉強させて頂きました。
CEROから販売店へ配布された小冊子にも明記されているのを確認しました。まったくもって不勉強で申し訳なかったです。

ちょっと言い訳させいて頂くとw
レーティングの種類の説明のところに、
>この制度においては、成人指定の分野はありません。
>審査基準に上限を設け、上限を超える表現・内容を含むソフトの
 発売は出来ないようになっています。
という一文があり、それを読んで事実上の販売規制の権限があるものだと思ってました。
ですから、発売前に販売が出来ないゲームもあるのではないかな?と勝手に考えてました。

今回の神奈川県のように単品での有害指定ではなく、CEROと神奈川県が協力してレーティング制度の内容の普及に努めて、
特に保護者への理解を深めることが大切だと思います。
行政側ではゲームソフトへの知識に?が付きます。だったら、言い方は悪いですがもっとCEROを利用しても良いのではないでしょうか?(例えばレーティングの区分をきちんとしたモデル店みたいなものを作って、販売店の売り場作りの参考になるようにするとか)

GTA3を有害図書指定しても、実際には続編は発売されてますし、バイスシティを指定した頃にはまた別のが...というイタチごっこ状態になる今のやり方は効果的ではない気がします。

投稿者 地方ゲーム店店員 : 2005年06月14日 16:19

TBありがとうございます。
私もCEROには期待しています。
そして、この問題の要は、やはり流通の末端にあるような気がしています。その辺を書き出すと長くなるんで止めますが(藁)、こちらのブログでのエントリには非常に納得できますし、いろいろと有益な情報が得られて参考になりました。ありがとうございます。

投稿者 acoyo : 2005年06月15日 11:10

こんにちまで
ゲームに限ったことではなく
かの手塚治虫や永井豪の漫画が迫害されたことがありました。

富士スピードウェイが暴走族を産んでいるとして強く弾圧されそうになったことがあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4
この様に何の関連性も無いことなのに
教育上の問題を指摘し、廃止に追い込まれたことが何度もありました。
その過去の事例から、多くの人間がCEROに危機感を抱くぐらい不自然では無いかと思われる。
=
なるほど、自粛をすすめるものでしたか。
だが、楽観できそうにありません。
今のCEROは実は「ゆさぶり」の段階で
これからゲーム全体を規制していくかもしれない。
なぜなら過去に子供の趣味を規制する動きがありましたからね。
前回までは急激に推進させようとしたため、失敗におわりましたが、
今度はゆっくりと推進して、おどかさないようにする為かなぁ。

投稿者 みそちる : 2006年07月15日 05:53

メーカーと販売自主規制・・・・か。
なんかひっかっかります。
真の目的が販売自主規制とは感じないんですよねぇ・・・。
では難なのかを具体的に説明しろといわれると
できないんですが、
自分の頭にはひっかかるんですよ。

投稿者 みそちる : 2006年07月15日 05:59