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2005年12月22日

マイケル・ジャクソンズ・●●●ロボのコト

トートツに思い出したんで、忘れない内に書き留めておく、ちょっとした昔話…。

16年前、鶴見は『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』というゲームの開発に携わっていた。企画こそマイケル本人だったとはいえ、細かいゲーム的設定は我々日本のスタッフに任されていたので、鶴見も無いアタマを絞って考えたモノだ。もちろん、全ての面においてマイケルの承認が必要だったコトは云うまでもない。

ゲームのイメージは、マイケルの原案・総指揮によって製作された映画「ムーンウォーカー」をベースにし、敵キャラは20世紀初頭のギャング&特殊部隊、敵メカもレトロ-フューチャリスティックなイメージで統一した。その方が、マイケルのモダンさが際だつという計算だ。

んでもって、「何かミニボス的なメカが欲しいよね」という話になったので、映画には出てこないメカを創作したのだが、それが今回の本題…


正式名称「チンコロボ」(ズコズコ有り)。


チンコロボ…というか敵キャラ全てを描いたのは、美術教師からゲーム絵描きに転身した牧野卓さんという先輩で、ゲーム業界処女作が業務用『テトリス』の、続いて業務用『ESWAT』のゴリラを描いた方なのだが(もちろんバブルス君も描いた)、いやいやこんな超絶アーティスト見たコトない。絵も上手ければ手も速く、部下に指導しつつも、本人は残業もせずに倍の作業を淡々とこなす。手が空くと、廃材を使ってゲーム内に出てくるような可動メカを実際に作ってしまったり、ESWATのパワードスーツをリアル・フィギュア化したりもする。おまけに家では巨大な絵画を描く。――日本海外を含めて、鶴見が過去出会ったアーティストの中では、文句なくトップクラスの一人だ。

(今調べたら、牧野さんのサイトを発見。すげえ!→マキノ模型


さてさてムーンウォーカーの開発も佳境を迎えていたある日、鶴見を含むプロジェクトメンバーは牧野さんに呼び出され、デジタイザ(グラフィックツール)の前にやって来た。何だろう?といぶかる鶴見に向かって、牧野さんはフロッピーから何かの絵を読み込みながら、こう云ったのであった。

「チンコロボだけどさ、マイケルの承認が降りなかったら困るから、別バージョンを描いてみたヨ」

確かに、社内では大好評なチンコロボですけど、客観的に見ればヤバいですもんねー。エレベーター内にチンコロボと共に閉じこめられるシーンとか、見ようによっては倫理的問題ありまくりですもんねー。マイケルが文句云ってきたら困りますもんねー。…でも、今から大幅に変更するワケにいきませんよね? どうやったんですか?

「先っちょだけ動くようにしてみたヨ」












…先割れチンコロボ!?


そこで見たのは、チンコの先がパカっと割れてグワシグワシと動く、色々な意味で危険度を増したメカのアニメーションであった…。













…問題を回避するはずが、実は問題倍増!?












いやもう、経験値の低い鶴見は、チンコを割るべきか割らざるべきかの判断がつかず、すっかり頭を抱えてしまったのであったよ。初参加作で、大ピンチ!


――んでどうなったのかって?

いや結局は、マイケルが元のチンコロボを承認してくれたので、先割れチンコはお蔵入りになってしまったという次第。なので先割れ画像はナシ(残念!)。

マイケルがチンコロボをチンコと認めなかったのか、それとも、2分の1サイズの「ミニチンコロボ」を登場させて、可愛らしさを演出したのが良かったのか。真相は闇の中。再びマイケルに会う機会があったら訊いてみたいものだ。たぶんそんな機会ないだろうけど。絶対覚えてないだろうけど(笑


なんでこんな話を書いたのかというと、鶴見がセガを辞めてから牧野さんと再会した際に、「最近、萌え系おねーちゃんの絵を勉強してるんだけど、難しいネ」と聞いたコトがあったのを思い出したからだ。「萌え」という表現だったかはあやふやだけど、確かそういう話だったと思う。

牧野さんだったら、やっぱり超絶萌えれるおねーちゃんを描いちゃうんだろうなあ。つうか、もう描いてどこかで公開されてるんだろうなあ。うわー見てえ。誰かチクってくれないか>セガ関係者


(以上、申し訳程度に「© SEGA 1990」と添えつつ、この項、了)

カテゴリー: 新・嘘六百
タグ: マイケル

投稿者 tsurumy : 2005年12月22日 20:49

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コメント

「ムーンウォーカー」にそんな秘密があるとは知らなかったよ。
強化された「チンコロボ」も是非見たかったな。

世間がクリスマスになると思い出すのがデコ業務用の「エドワードランディー」。そのマスターが丁度クリスマス頃に重なり、もちろん開発陣は世間様のように楽しいクリスマスを送れず、オフィスで寂しいクリスマスを送ったそうな。
その怒りを『隠れキャラ』にぶつけ、そのころ話題だった『人面犬』を密かに組み入れたそうな。
しかし、たった2日で上層部にバレてしまい、あえなくお蔵入りに・・・ そのまま組み込まれていたら『ゲーメスト』あたりのネタになったのになぁ・・・ 残念。

投稿者 いしかわ : 2005年12月23日 17:59

三国志大戦の張梁を描かれた方が同名ですね。

投稿者 野良猫 : 2005年12月24日 00:19

冒険100連発で、いきなりクライマックス! 俺が切り札、エドワード・ランディ!

そこに人面犬!

うおー、なんだかアツクテシヌゼー、ヤケシヌゼーなエピソードだ(笑


ちなみに、三国志大戦の張梁は、間違いなく↑で書いた牧野さんでしょう。カード自体は見たコトないけど、萌えじゃないよね?

投稿者 tsurumy : 2005年12月24日 02:59

萌えは記号ではなくシンパシーだという当然のことにようやく気がつきました。今は張梁のほうが正しい萌えと思ってます。
結果だせなくてごめんなさい。ひみずいもきち先生。

投稿者 牧野 : 2006年01月05日 13:30

おお牧野さん! こんな辺境のブログにわざわざコメント残して下さるとはありがとうございます。

「萌え」は、ネットワーク上で「流通可能な記号」がキャッチボールされるコトによって、近年やっと顕在化してきた、というのがワタシの考えなのですが、確かにネットワークという「制限」下でのコミュニケーションは、シンパシーを土台としていますね。

しかも、相当マイナーなモノでも同好の士は見つかるワケですから、きっと「張梁萌え」な方々も多いのではないかと推測しています。きっと、三国志大戦の同人本なるモノもあるんでしょうね。

投稿者 tsurumy : 2006年01月09日 03:41