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2005年11月02日

『それは「ポン」から始まった』読了して思ったコト(3)

もう何度書いたか分からないほど書いているこの言葉~「ゲームは日本社会において、認知は高いが地位は低い」。「それポン」第19章、【新風営法によるゲーム場規制】を読むと、それがよく解る。

ここで云う「新風営法」とは、今で謂うトコロの「風適法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)」のコト。鶴見が丁度「Beep」でライターを始めた頃にこの法律が改正(正?)され、ゲームセンターが、性風俗やテレクラ、パチンコ屋等と一緒くたに扱われるようになったのだ。


改正(正?)の趣旨によれば、

本号は、ゲーム機賭博事犯や少年非行の温床となるおそれのあるゲームセンター等を、風俗営業とすることによりその健全化と業務の適正化を図ることとするものである。

とまあ、もっともらしいコトは書いてある。当時は確かに「ゲームセンターは少年非行の温床」と云われていたものね。でも、なぜそれが「風俗」扱いなのか。その辺りは、8号営業(ゲームセンター)の定義を読むと、事情が見えてくる。

スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗その他これに類する区画された施設において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業

なんのコトはない。「違法カジノ」や「Gマシン屋(10円ポーカー等)」にかこつけて、警察庁が、ゲームセンターを自らの監督下に置こうとした思惑がアリアリだ。それ故の「風俗」なのだ。もちろん、ゲームメーカーのゲームが「本来の用途以外の用途として」違法カジノ等で使われた例なぞ有りはしない。そちらを摘発出来ないのは警察の責任であり、アミューズメントゲーム業界を規制するのは、誰がどう見ても筋違いなのだ。なのに根拠なく(完全にデッチ上げで)警察庁がこの改正(正?)をゴリ押しした経緯は、「それポン」に詳しい。人民は弱く、官吏は強し。


で問題は、業界の自助努力(警察庁の規制などではなく、だ)によって健全化した今もなお、ゲームセンターが風適法の規制下に置かれているというコトだ。想像だが、業界団体(AOUやJAMMA)は、規制を撤廃すべくロビー活動を行っているコトだろう。もし、ゲームの社会的地位が確立しているならば、理不尽な規制を撤廃するにあたり、社会的追い風が吹いてもおかしくない。なのにそれなのに、この規制緩和のご時世だというに、デッチ上げで設けられた規制がいまだ撤廃されない…これこそ、鶴見が「ゲームは地位が低い」とする所以だ。

もし、ゲームセンターが風俗営業の軛から放たれれば、業界の更なる発展が望めるコトは間違いない。単純に云って、24時間営業に出来るだけでも売り上げは大幅アップだし、それ以上に、様々な店作りの可能性が広がるだろう。もちろん、業務用の隆盛が、(家庭用も含めた)ゲーム業界全体にとってプラスに働くだろうコトは、『それは「ポン」から始まった』読了して思ったコト(2)に書いた通り。

新風営法の件といい、森昭雄の件といい、ゲーム業界の地位の低さに付け込んだ憎げなる振る舞いは、どうにかならんもんか。どうにかしなきゃいかんなあ。

(この項、とりあえず了)

【追記】
AMショーなどのオープニングに、かならず族議員の方がテープカットにいらっしゃるのを見ると、もう手を切れないのであるなあ、と思ったり思わなかったり。

カテゴリー: 新・嘘六百

投稿者 tsurumy : 2005年11月02日 00:06

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