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2005年02月22日

「ゲーム脳」に反論しても恐怖は去らないというコト

森“ゲーム脳”昭雄のトンデモ説が、寝屋川の17歳少年による教員の殺人事件に絡んで、また浮上しているようだ。

「浮上」と書いたのは、ニュースメディアに大きく採り上げられておらずとも、「『ゲーム脳の恐怖』の恐怖」(ゲームの未来にとっての「恐怖」という意味だが)は、深く静かに潜行していたからだ。All Aboutのゲーム業界ニュースによれば、森昭雄は「ゲーム脳の恐怖」出版以来、各地で頻繁に講演を行っていたらしい。

曰く、「ゲーム脳とその対策~読書がなぜ良いのか」、「ゲーム脳と子供の未来」、「めざせ脱ゲーム脳~子どもにもわかる脳のはなし~」、云々。

こうして見ると、「ゲーム脳」という言葉は相当にキャッチーだというコトが判る。よくもまあ、森はこれほどナイスなネーミングをしでかしたものだ。下手なホラー映画のキャッチフレーズよりも、よほど一般に恐怖を喚起させるワードだと云える。喩えるなら、「コレステロール」とか「活性酸素」と云った健康関連ワードのようなものか。その検証結果を知らない人間ですら、「そういう物がある」「なるべくなら避けたい」と考えるだろう。人類が普遍的に持つ「死への恐怖」につけ込んだキャッチフレーズだ。それ故、真偽にかかわらず、あっという間に広がる。

そう、森昭雄の「ゲーム脳の恐怖」が世間に認知されたのは、その論が正しかったからではなく、巷間に遍在するもやもやとした恐怖感に、当を得たネーミングをしたからに他ならない。それ以上のものではない。

だとするならば、いかな斎藤環氏が反論をしたとて、「『ゲーム脳の恐怖』の恐怖」を打ち消せないのは明らかだ(いや、これはこれで必要なコトなんだけど)。むしろ、巷間にモヤモヤと存在する恐怖感のようなもの自体に切り込んでいかなければならない。

例えば――

なぜ子供はゲームにはまるのか
~親子とゲームの良い付き合い方

こんな本を書きたいな、と思っている。そして願わくば、みのもんたに紹介してもらいたい(笑)。

奥さん!
お子さんがゲームで遊ぶのを
禁止するばかりじゃダメなんです!
ゲームは使いようによっては
お子さんの発達を促すんですよ!

子供の生活にとって、最早TVゲームは切っても切り離せないものなのだから、ならば「こう付き合うべきだ」という提言を、ゲーム制作者側からやっても良いのではないか。やるべきではないのか。児童心理学者にも教育評論家にも書けない類の提言を。


とりあえず出版予定はないけれど、目次だけでも書き始めておこう。

【追記】
ゲーム脳に反論するよりも、ゲームリテラシーの必要性を広く説いた方が良いだろう、という意見は、既にIGDAで新さんが云ってますね。

なんでも「ゲーム脳」

GDCで新さんに何遍も会ってたんだから、云えばよかった。うーむ遅かりし由良の助。

カテゴリー: 新・嘘六百

投稿者 tsurumy : 2005年02月22日 22:22

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コメント

「小学生児童、民家に侵入し箪笥を物色。美術品を破壊」

ホントにゲームの影響が強ければ
ミリオンセラーRPGの上記模した事件の一つでも起きれ。

猟奇方向に擦り付けるのは分かりやす過ぎてイカンな。
遡ってインベーダーのせいで蟹歩きする若者が続出とかだと良し。

投稿者 ら : 2005年02月23日 00:55

 脳波のこともろくにわからないのに、自らのトンデモ理論を堂々と公表して、一片も恥じないほどの厚顔無恥ぶりを発揮してしまうという、

 恐怖の森昭雄脳!

 モトネタ、どこで読んだんだっけ…。

投稿者 ひげいとう : 2005年02月23日 04:29