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2004年01月09日

嘘六百・第40回/「オンラインゲーム」(完)

詰まるところ、オンラインゲームと謳いながら、その実はコミュニケーションサービスに過ぎない「ゲーム擬き」は、オンラインプラットフォームの普及をブレイクさせる為のキラーコンテンツ足り得ないというのが、繰り返し述べている私の考えだ。
よりゲーム的な「出会い系」が、法規制が入る程の低年齢から(苦笑)高年齢まで、幅広い層にわたってブレイクしたのとは対照的だと云えるだろう。

それでも、韓国や中国のように、ビデオゲーム文化が(事実上)オンラインゲームから始まったという「初な」市場なら、サルの様に赤く腫れ上がるまでヤリまくってくれるのだろう。しかし、日本の様に倦怠期を迎えているスレっ枯らしな市場では、それも期待できない。

広いユーザー層にアピールする為には、どうしたって、ユーザーの欲望を直撃するキャッチーな「ゲーム的」なセールスポイントが必要なのだ。それは例えば、彼氏彼女との出会いであったり、エロであったり、現金であったり――。


宝探しを、オンラインの世界でやらせるというのはどうだろう? いやなに、単なるアイテム探しをさせるのではない。本物の、(例えば百万円相当の)金品を探させる「懸賞ゲーム」という意味だ。

たしか数年前、海外発の絵本で似たような物があったと記憶している。本文に散りばめられた謎を解き、地球上のどこかに本当に隠されている高額宝飾品を探す、というイベント的な絵本だ。

それと同様な、オンライン宝探し――ちょっとの投資と知恵で、お宝が手にはいるかもしれない!――というのは、拝金主義でデフレ時代の日本にはピッタリの企画ではなかろうか、うむ。
キャッチーな目標物さえ設定できれば、ビジネスプランを策定するのも楽しい作業だ。

例えば実際の製品構成は、「スターターキット」と「チケット(アペンド)ディスク」という形が良いだろう。スターターで開発費をリクープ(回収)し、アペンドでサーバー運営費と追加イベント開発費、ならびに賞品代を賄う、といったイメージだ。つまり、定期的にアペンドを発売し、それが即ち、あるお宝を探す為の参加費となる。当然、別課金なんて面倒くさいやり方は必要ない。

アペンドは、期間限定にすべきだろう。例えば毎月1日発売で、有効期限は月末まで。その1ヶ月間で、お宝を探させる訳だ。これは、古株ユーザーと新規ユーザーを同じスタートラインに立たせるという、ゲーム的な意味合いもあるが、同時に、月単位で収支計画を立てやすい、というビジネス上のメリットも生む。

 ここまで見通せれば、後はゲームとして設計するのは簡単だ。少数のプレイヤーに情報が集中しないように、時間的・空間的に謎とヒントを散りばめる事によって、ユーザー間のコミュニケーション――競争と協同の程良いミックスを促進し、あるいは1ヶ月間遊んでもらうために時限イベントを設定して――

――あ、マジでイケそうな気がしてきた。

 後は、景品表示法をクリア出来さえすれば、マジイケるんじゃないか、これ? コラムの原稿じゃなくって、企画書にして会社回りすべきだったかなあ(笑)。

本文では、オンラインゲームについての考察を進めた末、今回のようなアイデアを思いついた様に書いてあるけれど、実は、まず今回のアイデアを先に思いついて、その後に「本当に市場性があるかどうか?」考察を進めたというのが真実。

いつもそうなんだよね。まず「アイデアありき」。

ちなみに、思い浮かんだのは、もちろん「喫煙室」でだ(笑)。
(確か、1年ぐらい前のコトかな?)

んで、考察の末、俺の結論はネガティヴ。まあ、かなり面白いだろうし、メシの種にはなるだろうけど(いや、「メシの種」どころじゃないな。上手く転がればキラーに成りうるぞ)、でも、今の仕事をほっぽってまで関わるつもりはないからこそ、今回のシリーズとして原稿にしたってワケだ。

あと、もしこのアイデアに興味を持った人がいたら、忠告。
原稿にはあえて書いてない「あるフィーチャー」を加えないと、今回の企画は完成しませんぞ。ご用心、ご用心。まあ、ちゃんと考えれば分かるコトなんだけどね…。

投稿者 tsurumy : 2004年01月09日 13:46

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