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2003年09月12日

嘘六百・第32回

今回の妄想は、先日「PS Meeting & Award 2003」で吃驚した話から始めよう。これはSCEが年に1回、サードパーティや流通・メディアの人間を集めてPSプラットフォームの現状と今後をプレゼンし、更に前期のヒットタイトルを表彰すると云う恒例の催しだ。

ちなみにアワードで表彰されると、売れた本数に応じた賞金が贈られる。ゴールドプライズ(50万本以上出荷)なら50万円、プラチナプライズ(100万本)なら100万円。

自分のチームが以前100万円を戴いた時は、高さ30cmのフィギュアを限定で100個制作して関係者に配り、余りを全て廃棄したものだ――と過去の栄光(エーコー)はともかく、今年の話題と云えばやはり、コーエーの「真・三國無双」シリーズが、なんと3本も同時に表彰された事だろう。

プラチナ2本+ゴールド=100万×2+50万=賞金250万円!

――今頃コーエーでは、三國武将のフィギュアを250体、作り始めているに違いあるまい。

いやいや、そんな下世話な話はどうでもいい。私が吃驚したのは、受賞の挨拶に登壇した「『真・三國無双』産みの親」が、なんとまあ、「私の憧れ My Hero」友池隆純氏だった事だ。

氏はセガのアーケード・旧一研企画出身であり、かの名作「カルテット」「SDI」「ギャラクシーフォース」の産みの親だったりする。今までにドリマガ系の誌面で紹介されていないのが不思議なくらいだ。

不幸にして、私が入社するのと入れ違いにセガを退社されてしまった為に、ほとんど面識はないのだが(1度挨拶した程度)、大学時代から両作の熱烈なファンだった私は、入社前にカルテットの続編企画書もどきをセガに送りつけたり、入社してからもカルテットの「本物の」仕様書を譲り受けて家宝にしたり、カルテットの曲を別ゲームに流用したりと――まあ、今思い出すと赤面してしまう程、ファン根性丸出しの振る舞いをしていたものだ。友池氏のゲーム無かりせば、私はセガに入社しなかったのかもしれない。

それにしてもクールな話だ。複数の会社をまたにかけて名作を産み出す漢(おとこ)

――と、ここでくだらない事を思いついてしまった。私ら元セガ組は、古巣を称して「大鳥居ゲーム専門学校」とよく云うが、実際に「大ゲ専」がゲーム業界でどれだけ存在感を示したのか、大まかに定量化できるのではないかだろうか。

話を簡単にするために1次的な「売り上げ」だけを考慮するが、つまりセガを辞めた人間が、後の職場で作ったソフトの売り上げ金額(×開発内での貢献度合)の総計を即ち、大ゲ専の業界貢献度とする訳だ。

とりあえず、私の知っている範囲の20人程で、ザックリ暗算してみた。誌面の都合で詳細は割愛するが、先の友池氏も含めた総計が――約24億(平均5.3年/貢献度は推測)。サンプル抽出も試算式もアバウトなので、この数字の多寡についての議論は無意味だろうが、とは云え、もし専門学校を出たばかりの20人がソフトハウスを作り、5年で24億=5800円を40万本売り上げたのだとしたら、その学校は「実社会に役立つ」と確信を持って云えるのではないだろうか。

ほら、やっぱスゲエぜ「大ゲ専」!

次回はネットゲームを妄想します!

というワケで、アワードでは「ラチェット&クランク」もゴールドプライズを受賞し、50万円の賞金をいただく事になったのであった(ま、本体同梱分が多かったんだけどね…)。

賞金といっても、同じSCE社内だからお金ではもらえず、「プロジェクトのために何か資産を購入して、請求書を回してくれ」っていう、なんとも納得いかないやり方ではあるんだけどね。
ちなみにワタシは、プレイ画面収録用に、DVビデオウォークマンを購入予定。もちろん、サーキット走行の車載ビデオにも使うってえ寸法(にやり)。

そういえば、「グランツーリスモ」のチームでは、アワードの賞金をガソリンにあてた、というウワサがあるけど、ホントのところはどうなんだろう?(笑)

思えば、「クラッシュ1」はジワ売れだったから貰えなかったけど(確か)、「クラッシュ2」「クラッシュ3」「クラッシュ・レーシング」と、なんだかんだで賞金たっぷり貰ってるんだよね。

「クラッシュ3」では、限定フィギュアを作ったし、「レーシング」では、腕時計を作ったっけ。

――あれ、「クラッシュ2」は何に使ったんだっけ…思い出せない…。

投稿者 tsurumy : 2003年09月12日 06:00

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