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2006年07月24日

ゲーム技術者検定wwwのコト

これは何かの冗談か?

ゲーム制作者の技術検定制度、経産省が創設へ(NIKKEI NET)

ゲーム制作者の技術検定制度や表彰制度を創設する。(中略)政府として制作者のプログラム技術を格付けしたり、優秀者を表彰して開発力を強化する。

えーと? つまりコレは、「2級ゲームプログラマー」とか「1級ゲームデザイナー」とか認定しちゃう制度ってコト? 「1級ゲームプランナーが仕様データを偽装したためにクソゲーが出来てしまい社会問題化!」しちゃうってコト? あるいは、表彰したはいいけれど、「イタリアの無名ゲーム作家・スギ氏の盗作だと判明!」しちゃうってコト?

誰がこんな馬鹿げたコト考えたんだ!?

1級2級ウンヌンは冗談だが、これで日本のゲーム開発力がみるみるアップすると考えているんだったら、経産省も相当におめでたい。検定は、それに合格する為に技能を切磋琢磨するコトによって、業界全体のレベルが底上げされるモノだと相場が決まっているワケだが、検定に合格すれば競争力の高いゲームを作れるというコトなのか? そんな検定(=ゲーム制作のスキルノウハウの集成)を、どこのどいつが決められるってんだ。

まず「ビデオゲーム工学」の研究があって初めて、こうした検定をスタートする土壌が整ったと云えるんじゃないのか。それ無しに一足飛びに検定とは、いくらなんでもヘソが茶を沸かす級の無謀さだ。

かろうじて検定の体を成しそうなのはプログラム技術だけだろうか。ゲームデザイン、アート、サウンド、メカトロ等の技術は、半分「芸術」分野にもかかっているので、決定的に検定に馴染まない。でも、日本が曲がりなりにもゲーム制作において高い競争力を持っているのは「ゲームデザイン」面だというのが国際的にも衆目の一致するトコロなんだが…それは視野に入っていないんだろうな。

だいたいだな、各社の一線にいる開発者に、そんなのを受検するヒマがあると思っているのか。

現場と乖離した(いやもう、これは絶対に乖離すると断言出来るワケだが)検定になんの意味があろう。学生の就職活動の箔付け? 業界ゴロアナリストと呼ばれる方々を潤すだけ? 天下り先の確保? ――いずれも、日本ゲーム業界の国際競争力を増す為にはほとんど役に立たないコトは間違いない。

そんなのに使う無駄金があるんだったら、HSP(Hot Soup Processer)あたりをもっとプッシュすべきだ。子供向けのゲーム制作体験セミナーとか、同じ経産省でも「ITクラフトマンシップ・プロジェクト」とかは、素晴らしいじゃないか。子供にゲーム制作を体験させるコトこそ、10年20年後の日本ゲーム産業を支えるコトになると、鶴見は確信している。

無駄金遣イハ即刻ヤメロ。

カテゴリー: 六百式見聞録

投稿者 tsurumy : 2006年07月24日 15:49

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コメント

試験代や免許更新手数料と称して金稼ぎしたいだけかと。。。

投稿者 野良猫 : 2006年07月28日 23:09

>各社の一線にいる開発者に、そんなのを受検するヒマがあると思っているのか。
 ということは講師として遠方の大学とかに呼ばれて行くゲーム会社の人は二線級って事ですかニャ?
 検定に関してはゲーム関係の学校にも入試がある事についてはどう思いますかニャ?

投稿者 Prof.Alpha : 2006年07月29日 21:44

>Prof.Alpha
ワタシは「検定には意味がない」「一線級の開発者が、意味の無い検定を受けても業界振興には役立たない」と書いたつもりですし、真っ当な読解力の持ち主ならば誤解の入る余地無く、そう受け取ってくれているハズなのですが…そこで何故「講師」の話が出てくるんでしょう? ひょっとして、「受検するヒマがあると思っているのか」というコトバを、文字通り「一線にいる開発者には『時間』が無い」と受け取りましたか? それは全く間違って受け取っています。ちなみに講師に関しては、GDCの例をみても分かるように、ノウハウを業界で共有するコトには業界振興の為に大いに意味がありますし、それを行う人間が第一線にいるほど意義が高いと考えています。
あと、ゲーム関係の学校にも入試があるのには、入学後に習う専門知識を理解する為の「基礎学力」があるかどうかをはかる意味があります。例えば、掛け算の出来ない人間に行列演算を教えても理解出来ないでしょうし、基礎的な日本語の読解力が無ければ他人の書いた文章の真意を読み取るコトは出来ないでしょう。

>基礎的な日本語の読解力が無ければ
>他人の書いた文章の真意を
>読み取るコトは出来ないでしょう。

ココも誤解されるかも知れないので、もっと解りやすく書きます。

Prof.Alphaさんは にほんごの ぶんしょうを よんで、
その ぶんしょうの いみを ただしく うけとる ちからが
ちょっぴり よわい ようなので、
こんかい ワタシが かいた ぶんしょうの いみも、
まちがって うけとって います。
もっと たくさん ほんを よんで、 べんきょう してから
コメントを するように してくださいね。

投稿者 鶴見六百 : 2006年07月30日 13:25

 優秀者を表彰するって言うのは政府としてのゲーム振興への助けじゃないのかニャ?
 国からお墨付きをもらえれば出資者が多く集まる=ゲーム開発力が高まる(そうとは限らない)
って事でニャ。で、優秀者を判定するために検定と言う事じゃないんですかニャ?
セールス的に悪くても優秀な人はいるのでニャ。

投稿者 Anonymous : 2006年07月30日 23:32

国の方針を好意的に解釈するとこうなる、というコトを云いたいんでしょうけれど、それが無意味だ、というのがワタシの書いた内容です。特級国家厨師の店には出資者も集まるでしょうけれど、実体の伴わない「特級」の格付けでは、旨いモノが作れるかどうか甚だ怪しい。
いやもう、とことん的外れなコメント、本当にありがとうございました。今後「ニャ」という語尾を見かけたら、内容を吟味するコトなく即座に削除させていただきます。

投稿者 鶴見六百 : 2006年07月31日 11:21

初めまして。
ゴグルで色々やってたら出くわしましてですね。

自分もこういう検定は今ひとつだと思います。
なかなかですね、一筋縄ではいかないって言うか
プログラミング技術が素晴らしくてもそれは本筋じゃないですしね。

まあ、この検定を特級頂けたとしてですよ
世界の第一線で活躍出来るわけではないでしょうし。

最も心配というか意味をなさない検定だろうと思われる理由は
ゲームというのは作った、売った迄では意味がないと言うこと。

最後に赤の他人である「プレイヤー」がそのゲームを完成させるわけです。
この最後のファクターをどう取り入れて評価するのか・・・
無理でしょうね。きっと。


ノウハウの共有はEPXの社長もそんなこと言ってました。
社名を聞いてもお分かりのように特殊な業界ですから
という話なのかも知れませんが・・・

長々と済みません。
また寄らせて頂きます。

投稿者 shigeyan : 2006年09月15日 12:59