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2006年02月06日

第40回スーパーボウルのコト

ピッツバーグ・スティーラーズがスーパーボウルを制した。

負けたシーホークスの本拠地・シアトルに在住している知己・友人どもは、さぞかし悔しがっているコトだろう(シアトルにはゲーム会社が多いのだ)。というか、西海岸沿いの人間(=鶴見の知り合いほぼ全て)は、どちらかといえばシーホークスを応援していたに決まっている。こりゃしばらくは、スーパーボウルの話題は出せないやね、わはは。

応援するチームが優勝したのは、なんと鶴見がNFLを観戦し始めてから初めてのコトだ。ヒイキのチームが競り負ける姿を、もう15年にもわたって何度も何度何度も見続けてきたので、今回もテレビで観戦しながらハラハラしっぱなしだった。スティーラーズを応援する際には、黄色い「テリブル・タオル」をグルグル振り回すのがオヤクソクなのだが、鶴見は、スティーラーズのロゴが入った黄色い巨大な「ポンチョ」を振り回して、テレビの前でエキサイト。ちなみにこれは、昔ウェスト・ヴァージニアに留学し、ピッツバーグ近辺で遊んでいた末弟が買ってくれたモノ。

応援チームが必ず負ける…これは、以前にも書いたけれど15年前にビルズがNYジャイアンツに負けて以来、拭いがたく染みついたトラウマだ。ビルズはそれ以降4年連続スーパーボウルで負け、10年前にはスティーラーズもカウボーイズに負けた。しかも、それぞれ、勝利を確信していた最後の最後での負けばかり!(なのでそれ以来、鶴見はカウボーイズのエミット・スミスばりの小柄で上手いランニングバックが嫌いだ。アイシールド21も、漫画は好きだけれど、選手としてはあまり好きではない…笑)。

アメフトは、時間とフィールドポジションをコントロールしつつ、モメンタム(「勢い」「機運」)を引き寄せ合う競技だ。どれほど勝っていようとも、一発のビッグプレイ(例えばインターセプトとか)でモメンタムを手放してしまうと、あっという間に逆転されてしまいかねない。第2クォーター以降リードし続けていたスティーラーズではあったけれど、攻撃は依然として上手く機能しているとは言い難い。んだもんで、シーホークスは要所要所で、スティーラーズが「試合をキメてしまう」のを許さない。タッチダウン・パスを目指したパスをインターセプトされてしまい、76ヤードも走られたトキは本当に肝が冷えた。

だけれど、スティーラーズは本当にモチベーションが高かった。何度もピンチを迎えながらも、モメンタムを手放さなかった。シーホークスにしてみれば、本来成功していなければおかしいプレイを何度も失敗して、まあいってみれば「自滅」したのだが、これも偏に、モメンタムを引き寄せられなかった為だと思う。

モメンタムは、この試合だけの話じゃない。スティーラーズは、そもそもシーズン後半から凄かった。中盤まさかの3連敗はあったものの、それ以後は連勝に次ぐ連勝で、プレイオフは最下位(第6シード)からの不利なスタートをものともせずに、優勝候補を蹴散らしつつここまで来たのだ。チームは一丸となって、昨シーズンで引退するはずだった名ランニングバックのジェローム・ベティスに、最後の花道を飾らせようと頑張ったという。

ベティスといえば、新人の頃は確かラムズに居たと思うのだけれど、「こんなデカい身体でランニングバックかよ」と、当時のナンバーワン・ランニングバックであるエミット・スミス(小柄)と引き比べて、びっくりした覚えがある。スイスイと肉壁の間をすり抜けるのではなく、ドスドスドスと敵のディフェンスラインを蹴散らし、倒れずに進む大型車両(あだ名は「バス」)。そのくせ、足下に倒れた選手を避けるのに、まるでタップを踏むように軽やかに足を動かしやがる。すげえヤツ。

10年前、エミット・スミス&トロイ・エイクマン(クォーターバック)にいいようにヤラレたその翌年に、ベティスはスティーラーズに移籍した。上述のように、小柄なランニングバックを嫌いになっていた鶴見だったので、大いに歓迎したものだ。

かくして。

スティーラーズは最後の最後までモメンタムを手放さず、ベン・ロスリスバーガーがクォーターバックのくせしてタッチダウン・ランを決めたり(スティーヴ・ヤングを思い出した)、素晴らしいスペシャルプレイでのタッチダウンパスを決めるなどして、ゲームを「キメた」。

スティーラーズは優勝した。吠える闘将ビル・カウアーは奥さん&3人の娘と笑いあった。ベティスは、故郷デトロイトで開催されたスーパーボウルで花道を飾った。――そして、鶴見の15年にもわたるトラウマも解消された(たぶん)。実を云えば、ほぼゲームも決まり、ビル・カウアーがヘッドセットを外して笑顔を見せた後でも、まだ「逆転されるんじゃないか?」とビクビクしながら観ていたんだけど、そんな負け犬根性も、綺麗サッパリ消し去ってくれた。

今夜は、インドを放浪中の末弟に「スティーラーズ勝ったよ」とメールを打ったら、早々と夜の街へ繰り出すコトにしよう。

(ちなみに、「タッチダウン! スティーラーズ!!」辺りを読むと、鶴見がなんでココまで肩入れするのか判ると思う。燃えるヨ)

カテゴリー: 六百式見聞録

投稿者 tsurumy : 2006年02月06日 12:07

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コメント

今度機会がありましたら、NFLについてゆっくりお伺いしたい
と存じます。当方、90年代にランドール・カニンガムを擁し
5年間のレギュラーシーズン平均勝率がNFL1位ながらNFC
チャンプさえ縁遠かったフィラデルフィア・イーグルスに
涙して以来、NFLをちゃんとウオッチしてないです。
今回のスーパーボウルは、シアトル贔屓でした。
かつて4回も制覇した70年代の亡霊より、創設以来30年間弱小
だったチームに肩入れしたくなる、ってもんですが、考えて
見れば一度出て負けたことしかないフィラデルフィアが先を
越されなかった、と考えればこれでよかったのかも。

投稿者 ひげいとう : 2006年02月07日 00:03

もちろん、ウェルカムでございます>NFL話。

ただワタシは、ひげいとうさんのような記憶力は持ち合わせていないので、
あまり噛み合わない会話になってしまいそうな気が、しなくもなく。

あれほど何度も繰り返し観たはずの、70年代PIT黄金期の映像も、
屈辱のBUF vs NYGも、PIT vs DALも、
「屈辱の記憶」以外はスッポリ抜け落ちる、そんなヤツです故(汗)。

PHIのカニンガムも、いい選手でしたよね。
たしか、BUFがらみで感銘を受けた試合があったような気もしますが、
もちろん覚えていません(笑)。

投稿者 鶴見六百 : 2006年02月07日 00:48