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2003年11月07日

嘘六百・第36回/「オンラインゲーム」(3)

これまでに私は、いわゆるオンラインゲームとされる商品の中で、コミュニケーションを主たる面白さとした物を「ゲーム」と呼ぶことに抵抗があると表明した。なんとなればそれは、Q2やテレクラのような「サービス」に過ぎないからだ。

確かに、広義にはゲームの体を為しているかもしれない。しかし、ゲーム性というものは、プレイヤーの判断に対して、的確な褒賞が返される事によって生み出されるという大前提がある。

もし、ゲーム性の手法を援用して新しいコミュニケーションを創り出したのであれば、それをオンラインゲームと呼ぶにやぶさかでないのだが、ゲームが単なるコミュニケーション・ツールに過ぎないのに、そのコミュニティに対して課金するというのでは、喩えるならスト2の対戦が全盛時のゲームセンターで、プレイ料金とは別に入場料を徴収するようなもので、ゲームユーザーの常識に馴染まないこと甚だしい。

それならいっそ「出会い系」の方がまだ「オンラインゲーム」の名に相応しいと妄想う(おもう)のだが、どうだろう。

実際に私は、ネットゲームについての思考実験を進めていた頃、フィールドワークの一環として、出会い系にハマった事があり――まさに「ハマる」という表現がぴったりで、あたかも黎明期のビデオゲームに対するように、ハマったものだが、本当にあれは、ゲーム性が高かった。

例えば出会い系は、「段階的な目的が明確に存在する」という点でゲーム的だ。「彼氏彼女を作る」が大目的の場合、成功失敗は自明だし、小目的も「最初の返事を貰う事」「メールのやりとりを途切れさせない事」など、非常に判りやすい。

そして強調しておきたいのは、「攻略法が存在する」という点だ。過去、1万件以上の女のコのプロフィールを吟味し、400通超のメールを送って60以上の返信をもらい、30人程とデートした経験から云わせてもらうと、9割以上の子はパターン分けが可能であり、パターン毎に、上手くいくツボや、見切り時を示すサインが明らかに存在する。実生活では、それは非常に判り難いのだが、メールという帯域の狭いコミュニケーション手段の下では、相手をモデル化して想像するしかなく、云ってしまえば「簡単に引っ掛かる」のだ。

――さて、以上を踏まえて、本題。

なんで「ときメモ®オンライン」を
作らないんですか?>コナミさん

彼氏彼女を求めている善男善女が、ときメモ®世界のキャラに成りきって相手を探す、完全出会い系ゲーム。ターゲットユーザー層にもばっちり適合だ。ゲーム的に得た好感度を、実際の好感度にリンクさせる方法も、2D絵に抱いた幻想を生身の相手に同一化させる方法も、「ゲーム性」の手法で、解決できる目途はある。

オンラインゲームとして、抜群に面白いのは確実だ。

問題になるとしたら「倫理面」だけだろう。確かに、出会い系サイトの法規制が始まるなど、世間の風当たりは強くなっているが、なあに、規制されるのは児童が対象になる売買春であり淫行であり、「純愛」を規制する事なぞ出来やしないのだ。

コナミさん、如何ですか?

ここで触れている「30人ほどデートした出会い系サイト」というのは、実は、いくつかアクセスしていたサイトのうちの1つにすぎない。俺、色んなサイトにアクセスしてたのよ。んで、サイトによって、軽い遊び系であったり、真面目な恋人募集系であったり、性格が大いに異なるのだ。軽い遊び系は、サクラが多くて閉口するけど(プロフを載せた瞬間に「逢いたい!」メールが殺到…有り得んだろっ!)、真面目な募集系だと、そこそこ面白い駆け引きが堪能できる。マジ、ゲーム性が高いよ。そこの真面目系サイトで、4人ぐらいとしばらく付き合ったりしてるし。

俺は、毎年12月のクリスマス時期にソフトを発売する都合上、毎年9月頃に忙しさのピークを迎え…
…それまで付き合っていた女のコと別れるコトが多いのだ。ほんっと、毎年そう。何故に女のコって、会えなかったり、ちょっと連絡が途絶えたりしただけで、怒り出すのかねえ…。

んだから俺は、忙しい時期に女のコと別れた年は、マスターアップ後に「狩人」となり、合コンや出会い系サイトにハマる、と。

ま、この話はWEB上に載せるには差し障りがあるので(笑)、あまり詳しく書くのは差し控えよう。うむ。


【追記】

鈴木みそ氏の漫画「オールナイト ライブ」(エンターブレイン)で、こんな描写を発見。作者から転載許諾を貰えたんで、密かにアップ。

オールナイト ライブ

えーと、コレもちろん鶴見です。あの頃は若かったなあ俺(笑

投稿者 tsurumy : 2003年11月07日 06:00

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