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2005年11月12日

ラチェットで集中力を増進!のコト

TVゲームの悪影響やら有害図書指定など、ネガティヴな論調が喧しい中、「注意力欠如障害の治療にTVゲームを使っている」というポジティヴなニュースを発見した。

テレビゲームで集中力増進--米で始まった「逆バリ」療法(CNET JAPAN)

この技術は、SonyのPlayStation 2(PS2)用ゲームソフト「Ratchet & Clank」など、子供への悪影響が少ない市販のゲームで遊んでいる間に、子供が集中し、リラックスできるよう子供の脳を「調整」するのに役立つ。

そっかー、ラチェットが使われてるんかー(他に「バーンナウト」も)。

記事によれば、ゲームプレイ中に脳波をモニタリングし、集中すればするほど、「ゲームに出てくる物体の速度やキャラクターが飛び跳ねる高さ」がアップするのだという。たぶん、デュアルショック2のアナログ入力に、「集中の度合い」を乗算しているのだろう(…とすると「集中しなければクリア出来ない」というクソゲーになりそうな気もするが、とりあえずスルー)。

この技術は元々、NASA(アメリカ航空宇宙局)で開発されたのだという。

NASAは1990年代末に、パイロットの集中力と忍耐力を測定する研究を行った。(中略)パイロットの集中力を維持するため、技術と人間の各種機能との理想的な調和を作り出す「閉ループ」設計を開発した。

ここで云う「閉ループ」とは、以前にも書いたが、「ゲーム性」のまさに根幹を成す

  • プレイヤーによる入力→(ゲーム機による評価)→報酬→入力→…

というフィードバックループと等価なモノだろう。この治療に関して云えば、プレイヤーとゲームの関係が正のフィードバックループとなり、集中力を増加させる方向に進む、というワケだ。バイオフィードバックの一種だね。

――ちょっと待った。

ならば、ゲームは脳波測定など無くてもフィードバックループを形成しているワケだから、そもそもゲーム自体が集中力を増進させる機能を持っていると云えまいか? テトリスで落下速度がMAXの時や、GETAWAYでループ27回を達成した時なんて、「神が見えた(by アイルトン・セナ)」気がしたほど集中出来たものだが(いわゆる「ゾーン」だね)。

ゲームは、毒にも薬にも成り得るモノだというコトを、我々ゲーム好きは体験を通じて実感している。だからこそ、「ゲームが子供に与える悪影響」などと云われると、違和感を持ってしまうのだ。それって運用次第だろ。文学だってテレビだって、聖書だって資本論だって、そういうモノだろ。

カテゴリー: 六百式見聞録

投稿者 tsurumy : 2005年11月12日 17:55

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