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2005年02月22日

Game Developer Magazine最新号のコト

Game Developer Magazine, Feb. 2005

Game Developer Magazine最新号(2月号)の表紙がラチェット君だったので、何だろうと思ったら、「POSTMORTEM(事後分析)」で「Ratchet & Clank: Up Your Arsenal(ラチェット3)」についての原稿が掲載されていた。書いたのは、インソムニアック社のチーフ・クリエイティヴ・オフィサー(CCO)であるトコロの、Brian Hastings。

この「POSTMORTEM」、いつも楽しみにしてるんだよね。本来は外から窺い知るコトの出来ない、ヨソ様のプロジェクトの内情がバッチリ書かれているワケだからして。特に、これは編集部からのリクエストなんだろうけど、「良かった点」「悪かった点」をリストアップしてあるトコロはグッド。

でも今回は、内情を知っているラチェット3。身内ビイキを排して辛めに評するならば――ちとアッサリし過ぎのような気がする。

なんて書くと誤解を招くかしらん。いやいや、文章は平易で解りやすいし(英文だけど)、良かった点も悪かった点も、漏れなく綺麗に整理されてる。ただ今回の記事、内情を知っていれば、修羅場についての記述などはとても腑に落ちるのだけれど、知らない人間が「実感を伴って」参考にするのは難しいのではないか。「ああそうなの」と、軽くスルーされてしまいそうな気がする。実情は、むちゃくちゃ濃ゆい修羅場で、参考になる実例が山ほど詰まっていたんだけどね。

逆に云えば、書かれていない行間にこそ、「ラチェット成功の秘密」が隠されているのである――なんて格好つけすぎか(笑)。

(内容については触れないので、各自読んでくれたまい)


ゲーム業界の金言に、「ゲーム作りのスキルは、本数を作れば作るほど上がる」というモノがある。いつ終わるとも知れぬ長期プロジェクトに1本関わり続けている人間よりも、短期プロジェクトを数本終わらせた人間の方が伸びる、というコトだ。

この金言と併せて考えるのならば、やはり修羅場は実際にくぐらないと解らないってコトか。当たり前過ぎる結論で申し訳ないが、やはりそういうコトだ。


ところで、先立つコト2年前のGame Developer Magazine 2003年6月号では、「ラチェット1」についての事後分析が掲載されていたりする。書いたのはインソムニアック社長のTed Price。こちらは、当初のPS2プロジェクトが紆余曲折の末にポシャり(!)、そこから不死鳥のようにラチェット&クランクが生まれた経緯を記している。役立つかどうかは読者次第だが、誰もが肯ける内容であるコトは保証出来る。というか、鶴見は大いにウンウンした(関係者だってのに)。そしてきっと、ゲーム制作者ならば誰もが。

是非ご一読を。

カテゴリー: 新・嘘六百

投稿者 tsurumy : 2005年02月22日 10:00

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