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2004年03月12日

嘘六百・第45回/「新ハード」(3)

ソニーのワイヤレス液晶TV「エアボード」の新機種が3月に発売になるそうだ。

これは何かというと、ブロードバンド回線を通じて、自宅のテレビを試聴できるのだという。つまり、自室に置いてあるチューナーやHDレコーダー、DVDなどの映像コンテンツを、外出先のワイヤレスLAN環境のある店で――例えばモスバーガーで、お気に入りの匠味レタスを食べながら、観る事だって出来ちゃうのだ。

もちろん無線環境が無くとも、LANケーブルで接続する事だって出来るから、学校だろうが会社だろうが、出張先のサンタモニカのホテルだろうが、回線さえあればOK。要は、自宅の映像サーバーにアクセスできる携帯端末だって事だ。

この製品、正直、ソソられてる。買っちゃうかもしれない。

私は最近、TVをとんと観ない人なのだが、かといって観たくないわけじゃない。連ドラだって興味がある。ただ、毎週決まった時間を家で費やすという視聴習慣が無いだけだ。仕事中でも出張中でも、細切れに空いた時間は山ほどある(もちろん、マスターアップ直前以外だけど)。そこでTVが観れるとなれば、そりゃあ観ちゃうでしょう。

ましてや、最近流行りのHDレコーダーなら、わざわざTV番組表から録画予約するなんて手間無しに、自分が興味のあるキーワードを入れとくだけで勝手に録画してくれるってんだから。そういえば、今度のエアボードはPSXとの連動もラクチンらしいしね――

――ってちょっと待った。PSXと連動するってんなら、外出先でPS2のゲームが遊べてもいいんじゃないの? コントローラ付き携帯端末から、家庭のPSXを遠隔操作出来ないの? それこそ求められている「携帯ゲーム機」じゃないの?


TV映像もゲームも、エンターテインメントコンテンツというくくりでは等価だと云える。違いは「60分の1秒のインタラクティヴィティ」を必要とするか否かだけだ(それさえも、作り方によっては如何様にもなりますな)。

PSXとエアボードによって、映像コンテンツがネットワークに溶けていき、どこからでもアクセス出来るようになろうとしている今、ゲームコンテンツがネットワークに溶けていくのもまた、自然な流れではないだろうか。

ゲーム自体はネットワーク上に遍在し、それを、家庭用の認証&PROXYゲームサーバーにキャッシュしさえすれば、後はそのコンテンツにどこからでもアクセスできる、という形態。認証されたPCや携帯電話からアクセスさせても良いだろう。ゲームセンターから付加価値込みてアクセスさせるのは必須だろう。

――そしてこれこそが、私が先般来書いている「ゲーム習慣と社会生活を両立させる」新ハードの条件と合致するのではないだろうか。


ところで、神に誓って(というか機密保持契約に誓って、か)云うのだが、私は未だPSPの仕様をよく知らない。なので、PSPにPSXやらPS3と連動する機能が付くことを(一般ユーザーと同様に)祈ってるんだけど――

どうなんでしょう、久夛良木さん!?

本誌連載時には、本文中の「視聴習慣」という言葉を「試聴習慣」と、誤って書いてました(汗)。
うー、遺憾。最近どうも書き間違いが多くてイカン。ああ恥ずかしい。
自分の誤記を棚に上げて云うならば、編集者に見つけてほしかった。たのむよ、うめちゃん。

それはともかく。

エアボードでは、液晶表示部からベース部の汎用赤外線リモコンを操作できるので、もし、この汎用赤外線リモコンがPS2(に限らず、接続されたゲーム機)のコントローラを操作できるのであれば、マジで携帯ゲーム機の出来上がりだ。リアルタイムゲームには向いてないけど、RPGなんかだったら全然OK。PS2のPS互換どころではなく、既にソフト資産が蓄積されている超メリット。それどころか、GCだってXBOXだって遊べちゃうヨ!

でも、エアボードにはそんな機能、付いてないんだよね。惜しいなあ。
どうにかしてよ、久夛良木さん。
あるいは、ホリ電機あたりが、そんなコントローラを作れば、密かなヒット商品になりそうな気もするんだけど、いかがなもんでしょう。


ところで、今回の原稿には、意図的に外したトピックスが2つある。それは――

ネットワーク上にエンタテインメントコンテンツが溶けていくのだとしたら、極論すればパッケージは要らなくなってしまう――という真っ当な未来像。

そしてもう一つは、携帯電話という存在だ。

次世代のゲーム機は、明らかに携帯の進化と合流するんだろうけど、でも、携帯にイニシアチヴを握られたくない、そう思ってる。

いや実は、俺は携帯電話中心のゲーム習慣って嫌いなのよ。パッケージレスも、携帯電話のアプリでは既に一般化してるけど、なんだか、ゲームというコンテンツの価値を低下させてるっつーか。携帯電話サイズのゲームが、ゲーム業界のメインになっちゃったら、大作なんて生まれないよ。市場規模も相当縮小しちゃうよ。食ってけないよ。

それよりか、ホームサーバーと連動する携帯端末、という未来の方が、ナンボかましな気がするんだけど、どうだろう。

そのあたりを突っ込まれた時の保険として、いちおう「家庭用の認証&PROXYサーバー」という文言を入れておいた。そこまで深読みするヤツぁいないだろうけどさ(笑)。一口に云えば、携帯上で「安い物を買う」のではなく、据え置きホームサーバーに「高い物をインストールする」というイメージだ。

あとは、ゲームセンターとの関わりについても書かねば――。


※参考(06/06/21)「PS3復活の方法」

投稿者 tsurumy : 2004年03月12日 06:00

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